開幕前にチャンピオン獲得の為に、全戦でポイントを獲得するという目標を掲げていた#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは、ここまで何とかその目標を達成出来ている。後半戦は大量ポイントを獲得して、チャンピオンシップを有利に進めたい。
午前のフリー走行は車のバランスがなかなか取れず、ポジションは11位に沈んでしまった。
午後の予選に向けてセット変更を行い、野尻智紀選手がQ1に挑んだ。
Q1が始まってから2分半経ってからコースイン。タイヤを暖めてからタイムアタックに入った。午前のタイムを大きく短縮したが、12番手でQ2進出はならなかった。
明日の決勝へ向けてしっかり準備して1点でも多くポイントを獲得したい。
「走り出しからセットがなかなか決まらなくて下位に沈んでしまいました。予選はタイムアップが出来て、前進出来ましたが、Q2に進む事が出来ませんでした。明日は、ポイントを獲れるようにひとつでもポジションを上げられるように準備します」
「16とコンセプトを変えたセットで持ち込んだのですけど、それが上手く行きませんでした。セッション中に少しは良い方向へ行きつつも、バランスが取れなくてQ1を敗退してしまいました。16号車が、いい感じでスピードを保てているので、そのデータを生かしてポイントを獲りに行きたいです」
「午前のセッションは中盤から乗り始めました。あまり調子が良く無かったので、色々とアジャストして少しずつ方向性が見えてきました。専有走行でノックアウトギリギリのところまでは行けるかな?と思っていました。タイム自体は上げられましたが、周りの上り幅もかなり大きくて残念ながらQ1を通過する事が出来ませんでした。明日は頑張るしかないので、しっかりと順位を上げて返ってきたいと思います」
「明日に向けて良い順位でスタートしたかったのですが、富士に続いて車の戦力が無くて、今日はそれを拭えませんでした。大きめなセット変更も必要かも知れないですけど、必ず追い上げます」
前半戦を終えて500クラスでポイントを獲得していないのは、#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTだけだ。
後半戦が始まるこの鈴鹿で何とかポイントを獲得したい。
第4戦までのフリー走行ではバランスも良く速さがあったが、予選や決勝で結果が出なかったが、歯車が合えば結果が出るという手応えは持ち続けていた。
今朝のフリー走行ではトップタイムで終える事が出来た。この好調さを予選、決勝まで維持したい。
Q1は大津弘樹選手が担当。大津選手は2番手のタイムを叩き出しQ1を突破した。大津選手はQ1を走った後に、この車はもっと速く走る事が出来ると感じ、セットアップ変更をチームに指示した。
それが見事的中し、Q2を担当した佐藤蓮選手が期待に応え、ポールポジションを獲得した。
明日は、しっかりと戦略を組んで、表彰台の頂点に立ちたい。
「16号車は速さがあったのに、今までなかなか結果につながらなかった。しかし、ようやくそれを証明出来るチャンスが来たね。明日はそれの速さを結果に繋げ、後半戦の主役になりたいね」
「Q1の大津が2番手のタイムを出してくれました。大津は更に改善の余地があるということで大津のフィードバックを車に反映したところ、蓮が見事、トップタイムをマークしてポールポジションを獲得してくれました。16号車は速さはあるので、明日は何とか優勝したいです」
「ウェイトがゼロという良い条件で、速さを求められる中で持ち込みのセットのバランスが非常に良くて、予選もそのまま走る事が出来ました。大津も蓮も凄く良い走りをしてくれて、獲って当たり前と言われてしまったらそうかも知れませんが、それでもポールを獲ってくれてよかったです。明日の決勝もこの状態を維持して良い結果を出せればと思います」
「まずは、ポールが獲れて本当に良かったです。Q1担当して、2位で通過して、ポール獲るにはもっとアグレッシブに行かなくちゃいけないので、Q2に向けて蓮が乗るのにセッティングを攻めたものにしてもらいました。それも決まって、結果的にポールを獲れて良かったです。明日が重要なので、しっかりと気を引き締めて頑張ります」
「SUPER GTで自身キャリア初のポールポジションを獲れてとても嬉しいです。ここまで苦しい戦いを強いられてきましたが、最高の車に仕上げてくれたチームに感謝です。明日は何としてでも、スープラ勢の連勝を阻止出来るように全力で戦います」
12番手からスタートする#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは、大量ポイントを獲得すべく大幅なセット変更を行い決勝に挑んだ。
スタートドライバーは松下信治選手。混乱はなく、ポジションをキープして周回を重ねた。
2周目の130Rで前方の車がコースアウトし、ポジションをひとつ上げた。4周目のシケインで後続車同士の接触があり、セーフティーカーが導入された。車両回収に時間がかかり、9周目にリスタートが切られた。
リスタート直後はペースが上がらず、12番手の車が背後に迫ってきたが、松下選手は何とか踏ん張り、ポジションをキープし続けた。19周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。13番手でコースに復帰し、全車がピットインを終えた32周目の順位は12番手。
34周目に300クラスの車両がコース脇に止まってしまい、FCYが導入されたが、翌周にはリスタートが切られた。
野尻選手は、36周目のシケインで前車を抜いて、11番手にポジションアップ。
47周目のバックストレートで300クラス車両の車のタイヤがバーストしてしまう。デブリ処理の為、FCYが導入された。その周にリスタートが切られ、残り4周。前車との差が大きすぎて10位には届かず、11位でレースを終えた。全戦ポイント獲得がここで途切れてしまったが、残りのレースは大量ポイントを獲得していきたい。
「予選で前に行けなかったのがやはり痛かったね。特に目立ったミスは無かったし、入賞圏内も狙えそうな走りがあったけど、全体的な力不足だったかな。給油に時間がかかってしまうのも、大きな課題なので、どうやって改善出来るのか、次のSUGOに向けて準備していきたいね」
「もっと追い上げられると思っていたのですが、セットアップがうまくいかなくて、1 ポイントも取れずにレースを終えてしまいました。次、挽回出来るようにしっかりと準備して行きます」
「昨日からスピードが無くて、セットを大きく変えたのですが、スピードを回復する事が出来ませんでした。決勝も追い上げるレースを展開出来ませんでした。抜けない状況が続いてしまうと、そこでキープするしか無かったので、何も出来ないまま、レースを終えてしまい、とても残念なレースになってしまいました。次のSUGOに向けて挽回出来るように準備したいですね」
「予選から決勝にかけて頑張ってアジャストをして、パフォーマンスの改善を試みましたが、なかなか戦えるレベルまで行く事が出来ませんでした。何もする事が出来ずレースが終わってしまい、不甲斐ない結果になってしまいましたが、しっかりとまた前を向いて次に向けて頑張ります」
「前回の富士に続いてすごく苦戦した週末になってしまいました。富士の時と違ってウエイトをみんな積んでいるにも関わらず、我々も真ん中ぐらいの重さなので、真ん中ぐらいの順位でゴールできなければと思いながら始めたんですけど、まあやっぱ速くなくて。色々な事をトライして結果がこれなのでちょっとやり方を改めて変えないといけないと思っています。ちょっと重く含めて受け止めていますが、次回のSUGOはストレートも短くてウェイトの影響も出るコースだと思うので、準備して結果を出したいです」
ポールポジション獲得でついにポイントを獲得した#16 ARTA MUGEN TYPE R-GTは、更に大量ポイントを獲得すべく、決勝へ向けて入念に戦略を練った。
スタートドライバーは大津弘樹選手。大津選手は見事なスタートで、2番手に2.5秒差をつけて1周目を戻ってきた。
4周目のシケインで後続車同士の接触があり、セーフティーカーが導入された。車両回収に時間がかかり、9周目にリスタートが切られた。13周目から2番手の車に背後に着かれ、何度か抜かれそうになったが、大津選手は何とか踏ん張り、18周目にルーティンのピットインを行い、佐藤蓮選手に後半を託した。
しかし、2番手を走っていた車にピット作業で先行されてしまい、もう1台にも抜かれポジションを落としてしまう。更に1台にアンダーカットされてしまい、全車ピットイン終了後の32周目のポジションは4番手。
34周目に300クラスの車両がコース脇に止まってしまい、FCYが導入されたが、翌周にはリスタートが切られた。
4番手のままレースが進行していたが、47周目のバックストレートで300クラス車両の車のタイヤがバーストしてしまう。デブリ処理の為、FCYが導入された。その周にリスタートが切られ、残り4周。前車の背後まで迫ったが、抜くまでに至らず、4位でレースを終えた。第4戦までノーポイントだったが、貴重なポイントを獲得した。
「ドライバーもチームも何のミスもしていないのに、3台に抜かれてしまった。給油に時間がかかったのが原因なんだけど、ミスをした訳ではなく、燃費に問題。速さでは互角なのに、このような事で負けてしまうのは辛いけど、次回のSUGOはコースの特性上、チャンスがあると思っているので、しっかりと準備をしていきたいね」
「ポールトゥウインを狙っていたのですが、ピットアウトしてみたら5位とか6位とかに落ちていました。ドライバーもメカニックも全てノーミスでレースを戦えましたが、他チームの方がピット作業、給油時間が短かったと思います。本当にメカニックやドライバーに申し訳ない気持ちですが、次回に向けて頑張ります」
「大津選手が、トップをキープしてバトンタッチはしたのですが、ピット作業の時間の差でトップを守り切れませんでした。それが全てだったと思います。そこで前に出てれば、トップをキープする事は出来たと思います。特に何かミスをしたわけでなかったのですが、やはり給油時間の差が大きかったと思います。車自体の速さも多分あると思います。チームとしてはやれることは出来たと思っていますが、次回に向けてしっかりと準備して行きます」
「序盤、苦しかったんですけど、何とかトップを守り切れて、蓮に代わる事が出来ました。しかし、我々の車は給油に時間がかかるので、ピットストップ中に3台に抜かれてしまいました。後半は蓮がロングスティントで頑張ってくれました。コンディション的にも我々の車は合っていたと思うのですが、追い上げる事は難しかったです。
ポールから4位という結果は非常に悔しいですが、良いところも沢山見つかったので、精度を高めて次の菅生で良い結果を出したいです」
「ポールからスタートでしたが、4 位で終わってしまいました。ファーストスティントは大津選手がなんとかトップを死守してくれてドライバーチェンジを行えましたが、ピットの兼ね合いで 3 台に先行を許してしまいました。その後はペースはあったんですが、ストレートでチャンスを狙っていましたが、やっぱりダウンフォースが強いマシンということで、抜けずに終わってしまいました。車としてはいいところも沢山ありましたし、次に向けてもいい材料は揃ったかなと思うので、この悔しさを菅生で晴らしたいと思います」
鈴木亜久里監督のコメント
「シーズン前に掲げていた全戦ポイント獲得をここまで達成出来ているので、このレースもポイントを獲得する事を重要視したい。野尻もノブもレースの組み立てがとても上手いし、2人ともそれぞれの個性を生かしたレースを展開してくれれば、良い結果になると思います。彼らをしっかりとサポート出来るように準備します」