残り2戦となったSUPER GTの2035年シリーズ。トップとの差は24.5ポイントで、逆転の可能性は残されているものの、手強いライバル達を負かすには2連勝したうえでライバル達が低いポイントでレースを終えるしかチャンピオンを獲得する道は残されていない。可能性がある限り、最善を尽くして戦っていきたい。

午前のフリー走行は10番手で終えた。コンディションが安定しなかったのでこの順位は決して参考にならない。
車のバランスは悪くなさそうだが、確信出来る手応えが無かったのが不安ではあった。Q1のアタックは松下信治選手が担当した。
予選開始直前に弱い雨が降り始めたので、早めのアタックが必要だった。松下選手はタイヤをしっかりと温めてアタックに入ったが、13番手でQ1を通過する事は出来なかった。

車のバランスは悪く無いが、上位のタイムを出せなかった原因を探り決勝に備えたい。
ロングランの手応えも悪く無いので、決勝は上位に進出出来るように準備して行きたい。
「午前のフリー走行は順位が悪かったですが、コンディションが安定しなかったので、この順位は参考にならないですし、気にもしていません。予選もQ1を突破出来ませんでしたが、悲観する必要はないと考えています。
後方からのスタートは不利ではありますが、トラブルやアクシデントに巻き込まれなければ上位に行けると信じています」
「午前の走行は、順位は悪かったものの、車のバランスはそれほど悪く無かったので、予選もQ1は通過出来ると考えていました。しかし、他車が速かったのと、予想していた速さを出す事が出来ませんでした。今日はコンディションが不安定でしたが、明日はドライでレースが出来ると思うので、しっかりと準備してレースに挑みたいです」
「残念ながら13番手でQ1敗退となってしまいました。明日の決勝は距離が長いのと、コンディションが安定しないという天気予報もあるので、這い上がれるチャンスはあると思っています。明日、順位を上げられるように準備していきます」
「午前のセッションは天候に左右されたので、セットアップを上手く進める事が出来ませんでした。予選は雨が降ってきてしまい、難しいコンディションの中、普通にタイムアタックは出来たのですが、順位が13番手で、予想外の結果になってしまいました。なぜこんなに遅いのか、何が足りないのかわかっていないので、チームと協力して明日までに最善を尽くしたいです」
第5戦の鈴鹿、第6戦のSUGOで2戦連続ポールポジションを獲得出来たのは、16号車の潜在能力の高さを証明出来たと思う。このパフォーマンスの高さを最終戦まで維持して優勝争いに加わって行きたい。

午前のセッションはコンディションが安定せず、ここで出したタイムは参考にならないものの、3番手のタイムを出し、このセッションは良い雰囲気で終える事が出来た。
予選の天気は予報を見てもウェットになるかドライになるか判断が難しかったが、車のバランスは良いので上位に行ける手応えはあった。

Q1は大津弘樹選手が行った。予選直前に雨が降り出した雨は小降りで、雨が強くなる前にアタックを行った方が良いと判断し、ウォームアップを1周削りアタックを行ったが、前を走行する車追いついてしまい、タイムを出し切れなかった。次の周にタイヤをクールダウンさせて再度アタックを行ったが、Q1を突破する事は難しかった。
明日は3時間という長丁場のレースなので、チャンスを引き寄せて上位を狙いたい。
「コンディションに左右されてしまったところはあるけど、そのような状況に対応できるような強さを身に付けたいね。車自体の速さはあるので、アクシデントに巻き込まれなければ良いポジションに行けると思っている。明日は期待していて下さい」
「難しい予選でしたね。Q1敗退は残念ですが、速さはありますし、3時間のレースなので少しずつ順位を上げて行って、終わった時に上位でチェッカーを受けられるように頑張ります」
「午前は3番手で、8号車と同様の手応えは感じていて、Q1を通過出来ると思っていました。大津がアタックしてくれました。ウォームの周を1周削ってアタックする作戦にしました。天候に左右されたというのもありますが、タイミングが悪くて上手くタイムを出す事が出来ませんでした。非常に残念ではありますが、明日は諦めずに頑張ります」
「難しい予選でした。雨が降る事を想定してセッティングを行いました。アタックの時は想定していた以上に雨が続かなかったので、最初のアタックでタイヤを使い切ってしまいました。その後、1周タイヤをクールダウンして再度アタックを行いましたが、すでにタイヤのピークを過ぎてしまったのでQ1を通過する事が出来ませんでした。蓮につないで走らせたいと思っていましたが、蓮を走らせることが出来なくて申し訳ない気持ちです。しかしながら、車のバランスは良いと思っておりますので、挽回出来ると信じています」
「朝の走行はロングの確認だけで終わってしまいました。前回の課題がまだ改善出来ていなかったので、明日の決勝に向けて改善する必要があると思っています。予選は、雨の予報だったので、Q1が始まってから早めにタイムを出しに行った結果、前の車に追いついてしまいタイムを出せませんでした。そこでタイヤのピークを逃してしまったので、それ以上のタイムは望めませんでしたが、戦略的にそういうリスクがあったので仕方ないのですが、車のポテンシャルはQ1を通過する力量があったので悔しいと思っています。しかし、明日は3時間レースでチャンスはあると思いますので、追い上げられるように頑張ります」
昨年同様、今年のオートポリス大会は距離レースではなく3時間レースで開催される。
ルーティンのピットインは2回が予定されており、後方からスタートする#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは順位を上げる事が出来る要素も多い。我々はチャンスを逃さず、上位を目指して行きたい。
スタートドライバーは野尻智紀選手。スタート直後の1コーナーで前方の車両同士の接触があり、1台の車両がスピン。しかし、1周目の順位は変わらず、13番手をキープ。7周目に1台をパスして12番手にポジションを上げる。11周目に前方で接触がありFCYが導入され、順位は11番手。車両回収の為、FCYからセーフティーカーに切り替わり、15周目にリスタートが切られた。

1周目の前方での接触の原因となった車両がドライブスルーペナルティを受けて、更にひとつ順位を上げた。11周目の接触で前車がドライブスルーペナルティを受け、9番手に浮上。
22周目にルーティンの最初のピットイン。ドライバー交代は行わず、給油とタイヤ交換のみで野尻選手を送り出し、12番手でコースに復帰した。
27周目に前方で接触があり、ひとつポジションを上げる。29周目の1コーナーでポジションを争っていた車両の横に並ぶが、行き場がなくなり後方の車両にアウトから抜かれてしまう。この時点で12番手。
33周目に前方を走っていた車両がコースアウトしてしまい、ポイント圏内の10番手にポジションアップ。更にルーティンのピットインを行う車両もあり、35周目の時点で5番手を走行。
全車が1回目のルーティンのピットインを終えた41周目時点での順位は4番手。野尻選手の好走と作戦が上手く噛み合った。しかし、その後はなかなかペースが上がらず、44周目にひとつポジションを落としてしまうが、野尻選手は食らいついて行った。
そして54周目に2回目のピットインを行い、松下信治選手に交代し、14番手でコースに復帰。

59周目にコース上に300クラス車両が止まってしまい、回収のためにFCYが導入される。翌周には解除され、松下選手はリスタートで12番手にポジションアップ。他車のピットインもあり、60周目で11番手。ペースがなかなか上がらず、63周目には14番手までドロップしてしまう。
前方の車両のコースアウトもあり、65周目で13番手。更に前車3台ピットインし、10番手にポジションアップ。その後、順位の変動はなく、3時間が過ぎチェッカーとなった。
レース終盤は作戦が上手く噛み合わず、順位を落としてしまったが、苦戦した中でも貴重なポイントを獲得する事が出来た。順位は良いとは言えないが、車のパフォーマンスは向上しており、最終戦で有終の美を飾れるように準備をしていきたい。
「土曜のフリー走行から順位はあまり良く無かったけど、車の速さ、実力はあるのに、カタチに出来なかったね。残り1戦になってしまったけど、最終戦では勝てるように準備していきたいね」
「何だか上手く噛み合いませんでした。車のバランスは良くて、タイムも戦えるだけの速さはあるのに、上位に行けませんでした。残る最終戦ではこの車の速さを証明してもらいたいね」
「ウォームアップの調子は悪く無くて、バランスも良かったのですが、作戦が上手く機能しませんでした。早めのピットインでアンダーカットを狙っていましたが、それが遅い車に引っかかってしまい裏目に出てしまいました。上位に行けるだけのパフォーマンスを8号車は持っていただけに悔しいですね」
「何度か上に行けるチャンスはありましたが、それが出来なかったので自分達の力不足だと感じています。残りは最終戦だけなので、上位で戦えるようにしっかり準備していきたいです。ありがとうございました」
「TOP3がシビックで、その展開に恵まれていたにも関わらずそこに居る事が出来なかったのと、自分としても見直さなければならないところが沢山ありました。最終戦はウェイトが無くなって厳しい戦いになるとは思いますが、来年につながるような走りをしたいと思います」
3時間の時間レースで開催される第7戦オートポリス大会は、今にも雨が降りそうな空模様だが、ドライコンディションでスタートが切られた。スタートドライバーは大津弘樹選手。スタート直後の1コーナーで、前方の車両同士の接触があり、1台の車両がスピン。
2つポジションを上げて、9番手で走行を続ける。11周目に前方で接触があり、FCYが導入された。それによりポジションがひとつ上り8番手。車両回収により、FCYがセーフティーカーに切り替わった。
回収が完了し、15周目にリスタートが切られた。その後、1周目に前方で接触があったが、その原因となった車両がドライブスルーペナルティを受けてひとつ順位を上げた。
更に11周目の接触で前車がドライブスルーペナルティを受け、6番手にポジションアップ。

27周目に前方で接触があり、5番手に浮上。前を走っていた車両が33周目にコースアウト、更にルーティンのピットインをする車両があり、2番手まで上がったところで35周目に1回目のピットイン。佐藤蓮選手に交代して、2スティント目に入った。
全車が1回目のルーティンのピットインを終了した41周目時点での順位は10番手。その後は順位をキープしたまま周回を重ねたが、50周目に抜かれて11番手に落ちてしまう。
56周目に2回目のピットインを行い、12番手でコースに復帰。他の車両のピットインもあり、7番手にポジションアップ。
59周目にコース上に300クラス車両が止まってしまい、回収のためにFCYが導入され、翌周にはリスタートが切られた。

61周目には4番手までポジションを取り戻す。前の車両がコースアウトしてしまい、3番手に浮上。トップ走行中の車両がピットインし、69周目に2番手に浮上。
71周目に2番手に浮上し、終盤までキープしていたが、99周目に抜かれてしまい3番手にドロップしてしまう。
タイヤのグリップ力は殆ど残っていなかったが、佐藤選手は終盤まで何とか踏ん張り今季初の表彰台を得る事に成功した。
車のポテンシャルはとても高いので、最終戦ではトップ争いを行って最高のポジションでシーズンを終えたい。

「16号車はシーズン最初から車の速さがあったのに、なかなか結果につなげる事が出来なかった。でも第5戦、6戦でポールを獲得し、ここでようやく表彰台に登る事が出来て、本来の速さを証明出来るようになってきた。まだ改善しなければならないところもあるけど、徐々に良くなってきているので、最終戦が楽しみだね。しっかりと結果を出せるように頑張ります」
「終盤はハラハラドキドキの見ているお客さんを惹きつけるレースをしてくれたね。もちろん我々が勝ちたかったけど、前半戦の不調を考えると、尻上がりで良くなってきているので、最終戦で更に良い結果でシーズンを終えたいね」
「最初のスティントで長めに走ろうと決めていて、結果的にその作戦は良かったのですが、他のシビックが優勝や2位を獲っているので3位表彰台でも悔しさの方が大きいですね。最終戦で良いところを見せられるように頑張ります」
「終盤は蓮も2番手を走っていて頑張っていたのですが、残り数分のところで逆転されてしまいました。TOP3台がホンダだったので、その中でTOPを獲りたかったという悔しい気持ちはありますが、表彰台に登れたのは良かったです。最終戦も頑張りますので、応援して下さい」
「戦略も車も良かったのですが、残りわずかまで2番手をキープしていたのですが、最後タイヤが終わってしまい、抜かれてしまいました。悔しいですが、今季は表彰台が無かったですし、ホンダ勢としても表彰台を独占出来ましたので良かったと思っています。もてぎはノーウェイトでイコールコンディションで戦うので、この調子でシビック最後のレースで良いところを見せたいです。応援ありがとうございました」
鈴木亜久里監督のコメント
「速いタイムが出せなかった原因が分かっていないけど車のバランスは悪く無さそうなので、改善策は見つかると思っている。明日は決勝で上位に行けると思っているので、アクシデントに巻き込まれないようにレースを展開して行きたいね」